外傷
小児の歯の外傷は、その程度により歯冠破折、根破折、歯の動揺、脱臼などいろいろあります。
外傷の頻度は永久歯列においては男子が女子の2倍でありますが、乳歯列においては、その差はあまり見られません。歯牙外傷の部位は、上顎の前歯に多いです。
乳歯列においては脱臼や歯牙脱落が起きやすいのですが、永久歯列においては、歯冠破折の頻度が最も多いです。外傷は、その頻度や種類によって処置内容も固定、抜歯、歯髄処理、歯冠修復等さまざまです。
歯の外傷について
折れたり、抜けた歯でも元に戻せます。あきらめずに気を落ち着けて歯を持ってきてください。
歯の保存方法
- 1.軽く水で流す
- 2.牛乳につける
牛乳が無い場合、生理食塩水(0.9%)+水コップ一杯+塩一つまみ
外傷例
抜けた歯
元に戻して固定します
折れた歯
元に戻して固定します
めり込んだ歯
元に戻して固定します
ぐらぐらの歯
固定します
それ以外(血が出ている歯,さわると痛い歯)
固定します
固定中に気を付けること
ギプスに外力が加わらないことが大切です。
- ・前歯でかまない(食事は小さくきざんでかみ切らなくてもいいように)
- ・かたい物を食べない
- ・指しゃぶり禁止(習癖防止装置が必要なお子様もいます)
- ・運動を控える(またぶつけないように)
- ・自転車禁止(よく転ぶ子)
元に戻した歯のその後…
乳歯
はえ替わるまでに黒っぽく変色した場合は神経の処置が必要です。
永久歯
変色したり、根の吸収が起こることがあります。
歯の様子が変だと思ったら歯科を受診しましょう。
当院ではこれまで多くの抜けた歯や折れた歯を処置し、元通りになって多くの方に喜んでいただいています。
不慮の出来事で子供が歯をぶつけることはめずらしくありません。
早期に適切な処置をすることで歯を残せる可能性はぐんと高くなります。
なお、頭をぶつけている場合はまず脳外科を受診してください。